既存客のフォロー
「繁忙期の売上を伸ばすために、既存のお客様をフォローしようと考えていますが、RFM分析はどうのように活用したらいいのでしょうか?」との質問をいただきました。
顧客のフォロー方法は、FacebookなどのSNS、LINE、メール、DMなど様々な方法があります。
フォローの反応率を上げていくためには、表現や内容、インセンティブなども大切です。さらに重要になってくるのが対象となる顧客層の選定です。
そのために、よく使われる手法の1つがRFM分析です。
R(最終購入日)
F(一定期間の購入回数)
M(一定期間の購入金額)
の3つの要素で顧客を分類します。
顧客管理用のパソコンソフトが入っていれば自動で抽出してくれます。
この3つのうちのどこに重点を置いて抽出するのかによって顧客データは変わってきます。
顧客生涯価値(LTV)
R(最終購入日)は、フォローをするのが購入の日から近ければ反応率が上がりますが、遠くなれば反応率は下がります。商品の平均購入頻度によっても違ってきますが、近いほど反応率は高い傾向があります。
考えなければならないのは、F(一定期間の購入回数)に重きをおくのか、それともM(一定期間の購入金額)に重きをおくのかです。
例えば、1年間に5万円の購入が1回あるお客様と、5000円の購入が10回あるお客様のどちらをフォローした方がいいかと聞かれれば、5000円を10回購入してくれるお客様だと答えます。
たとえ1回当たりの購入金額が多くても、その後購入がなければフォローしても購入が入る確率が低くなるからです。
一方、1回の購入単価が5000円でも10回購入をしてくれるのであれば、フォローをすれば再購入の確率は上がります。
10回購入してくれているお客様は商品またはお店を気に入ってくれているからです。
新たに高単価の商品の購入を促せば、顧客生涯価値(LTV)も上がる可能性もあるため、購入回数を重視した方がより効果的だと考えます。
しかし、これはあくまでも一般論であってフォローをする時期やその他の条件によって変わってきます。
平常月であれば、1年に10回購入してくれているお客様にフォローをした方がいいのです。
しかし、繁忙期は考え方を変えることも必要です。
繁忙期に売上が伸びるのは、購入回数の多い常連客に加えて、新規のお客様、そして年間購入回数の少ないお客様からの購入も入るからです。
購入法則がわかれば売上が伸びる
そして、興味深いことに、会社やお店によって購入法則が存在することがあります。
ある会社では、水曜日に購入をするお客様は水曜日に、お彼岸に購入するお客様はお彼岸に、そしてお盆に購入をするお客様はお盆に購入をしています。
これは年に10回購入するお客様にも、年1回購入するお客様にもあてはまることです。
一般的には、年1回購入をするお客様は反応率が低いことがわかっていますから、この客層へのフォローは二の足を踏んでしまいます。
ところが、この購入法則さえ理解しておけば、繁忙期に購入があった購入回数の少ないお客様には、同じ繁忙期にフォローをすれば反応率を高めることが可能になります。
また、繁忙期にフォローをした結果、年1回の購入が年2回に増えたこともありました。
RFM分析はあくまでも1つの手法であり、絶対ではありません。その時々に合わせて柔軟に考えていくことが、売上・利益を伸ばしていきます。