◆クレーム対応は大変です
・カットがイメージと違う、代金を返せと怒る客、
・毛玉の着いたスカートをボタンが取れたからと返品に来る客、
・自分で落としたケーキを崩れているから返金しろという客、
・中とろが固かったから、詫び状を書けと強要をしてくる客。
これは全て実際にあったクレームです。
「店に非がないのにこんなクレームをつけられたら、たまったもんじゃないですよ」と、店長は怒っています。
モンスタークレーマーに絡まれたときには、神経をすり減らしてヘトヘトに疲れます。
正当なクレームならば真摯に受け止めて対応しますが、それでも店としては大変なことに変わりはありません。
御社では、クレーム対応はどうされていますか?
モンスタークレーマーのいわれなきクレームを除けば、クレームが発生するということは、店側に何らかの落ち度があったと思われます。
店の落ち度やミスを教えてくれるという意味では、クレームは業務の改善や商品の改良に役立つ糧になります。
ところが、クレームを店長や店だけに任せていては、店長やスタッフのストレスは溜まってしまうだけです。
「社長に言いつけるぞ」とお客に言われて、上司に報告が出来なかったという事例がありました。
クレームが発覚すると、評価が下がってしまうと思い、店長は本部や上司に伝えることができませんでした。
店長がなんとかクレームを納めようとしたのですが、上手く対応ができずにクレームをさらに大きくしてしまったのです。
こんな状態では、クレームが業務の改善や商品の改良に役立つどころか、店長を潰してしまいます。
◆クレーム対策プロジェクト発足
このことを重くみた社長は、クレーム対策プロジェクトを発足させたのです。
メンバーは、社員、店長、部長、役員の各階層から選びました。
プロジェクトでは、これまでにあったクレームを調査して、それぞれの原因、対応、結果を検討しました。
軽微なクレームから健康や命に関わる重大なことまでランク付けをし、それぞれのケースごとに、対応方法、報告方法、最終対応者を決め、ルール化することができました。
このプロジェクトの結果、店長は評価が下がるのを恐れて、クレームを一人で抱え込むこともなく、すぐに上司や本部に報告することができるようになりました。
そして、クレーム処理マニュアルや業務改善ができ、お客様の満足度も上がったのです。
クレームはなければない方がよいのですが、なくなることはありません。
クレーム対応を組織で対応するためのルールがあれば、クレームがあったときにもパニックにならずに対応ができます。
また、クレーム処理マニュアルがあっても、それで終わりではありません。
対処しにくかったクレームが発生すれば、常にブラッシュアップしながらマニュアルを改訂し続けています。
この会社ではクレーム対策プロジェクトがいい機会となって、解決すべき課題が発生したときには社員全員で考えて対応するようになり、経営参画の意識が芽生えてきたのです。