当たり前は、当たり前ではない
「最近、かみさんとの関係がとてもいいですよ。先生の研修のおかげかな」と
社長が嬉しそうに教えてくれました。
研修のおかげと言ってもらえたので気になって、
「家庭が幸せなのは仕事にも不安なく打ち込めるのでとても素晴らしいことですが、どんなことがあったんですか?」と聞いてみました。
すると社長は「カミさんがお茶を出してくれても今までは当たり前だと思っていたんです。
でも、これって当たり前じゃあないなと思ったんです。
私のためにやってくれたことですから、先生が研修で言われていたように『ありがとう』と言うようにしたんです。
そしたら今まで以上にサービスも良くなったし、会話も弾むようになりました」とおっしゃてくれました。
夫婦仲もとても良くなったと、照れながらも嬉しそうでした。
家庭はもちろんのこと、職場でも「ありがとう」は素晴らしい効果を発揮します。
関係性を良くする「ありがとう」
活気のある明るい職場には「ありがとう」の言葉がよく使われます。
伝言をメモしておいてくれれば「ありがとう」、
コピーをとってくれれば「ありがとう。助かるよ」、
書類を作ってくれれば「ありがとう」、
指示した仕事が完成したら「ありがとう」と「ありがとう」が満ちあふれています。
「ありがとう」は相手の行為に対して敬意を表し、相手を認めているているからこそ出る言葉です。
「ありがとう」を言われた人は笑顔になります。
「ありがとう」を言った人もポジティブになります。
「ありがとう」は、言った人も言われた人も、いい感情になるので、会社内の関係性がよくなるのです。
「ありがとう」が言えない?
ところが、なかには指示を出したんだから、やって当たり前、仕事だから当然と上司が思っていて、感謝の言葉が出ない人もいます。
私も昔はそうでしたが、若い頃から、叱られて育ってきたため「ありがとう」を言われたことのない中年以上の男性の管理職に多いようです。
こんな人は、内心では思っていても「ありがとう」を言うことに慣れていない、または照れているだけなのかもしれません。
そんなときには、それ以外の人たちが「ありがとう」を意識して使ってみましょう。職場の雰囲気が明るくなって、前向きになっていきます。
そして、「ありがとう」が社内に拡散して、「ありがとう」を言わないでいると疎外感を覚えるようになればしめたものです。
しばらくすると、いままで「ありがとう」が言えなかった人たちも、恥ずかしそうではありますが言えるようになります。そうです「ありがとう」は会社の中で伝染をしていくのです。
ありがとうは、魔法の言葉
自分が発する言葉は自分の60兆個の細胞が聞いているといいますから、「ありがとう」を言っているうちに本人の気持ちも明るく前向きになっていくはずです。
すると、いままで評価することができなかった上司が「ありがとう。よくやってくれたね」とよい評価を口に出すようになります。
「ありがとう」と言われて怒る人はいません。
「ありがとう」を使えば、人間関係がよくなり、みんなが幸せになります。
そして、自分も他者も前向きにしてくれる魔法の言葉なのです。